ある年収以上は幸福度が上がらない理由と、年収を上げる以外で幸福度を上げる方法


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国税庁による「平成30年分民間給与実態統計調査」では、給与所得者の内、年収が1000万円を超える人の割合は5%。



この結果を見る限りでは、1つの目標として「年収1000万円」に憧れを持つ人の方が、実際1,000万円所得を実現している人より多い事がわかります。

前回、お伝えした「行動経済学の研究データー」で、「お金だけで幸せにはなれない」ということがわかりました。そしてそれは、700万まではお金による幸せを感じるのは、「優越感をもつため」という話も実例でお伝えしました。


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つまり、幸せの物差し(指標)は、物質的なものではなく、「不安がない」「毎日が充実している」など、人によってさまざまですが、常に「幸せの選択」に関わってくるのが「収入」です。

脳科学者の中野信子先生も言われるように、ある年収までは、お金を得ることで幸せを感じますが、アメリカではその年収が800万、日本では約1,500万円までをボーダーラインとして、収入の多さと幸福度は比例して上がっていきます。

つまり、前回お伝えしたように、それ以上になると飽和状態となった後、1,500~2,000万円までは幸福度が下がります。



それ以降は、国税庁の調査から見ても、5%しかサンプル数がないため、根拠となる十分な研究ができません。



ただわかっていることとして、中野先生が言われるのは、年収が1,500万円を超えると、「所得額」より、自分が基準にしている準拠集団内において自分がどこに位置するかという「所得順位」が重要になるということです。

たとえば、年収3億であろうが、5億であろうが、隣に10億の人がいたら、幸福ではなく、不幸だと思うということです。それは、所得順位の罠から抜け出せないからです。

結局、こういう研究データーがあるという事実は、700万まではお金を幸せの基準に、700万を超えたら、その時考えようと思う人と、今から幸福の物差し(指標)を、年収以外にして舵を切り直すか、二つの未来が用意されているということです。それは、今の選択が、未来をそのまま実現させるということです。 少なくとも、スティーブ・ジョブズをはじめ、富と名声を築いた先人たちの言葉からでも、何を基準にすれば死ぬまで幸せでい続けられるかは、自明でしょう。


なのに人はなぜ、富や名声を幸福の基準にしてしまうのでしょう?


それは、一番欲しい手に入らない何かの代わりが、お金、過食、買い物、ギャンブル、お酒、異性・・・だからです。



2番目以降に欲しいものを手に入れても失うのは、1番欲しいものを掴むために失うのです。



それは、2番目に言いたいことを1番に言っても伝わらないのと同じ、人は、1番伝えたいことしか伝わらないから失うのです。

Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma – which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and  intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

時間は限られている。だから自分以外の誰かの人生に時間を費やして自分の人生を無駄にしてはいけない。常識や固定概念という罠にかかっている暇はないんだ。他人の考えという雑音に自分の内なる声や心、直感を打ち消されないように。一番大切なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つこと。自分の内なる声、心、直感はあなたが本当はどうなりたいのかとっくに気づいている。それ以外のことは全て、二の次で構わないんだ。(スティーブ・ジョブズ)



ジョブスが一番欲しいものは、「私を愛してくれる人」だったそうです。


なぜお金だけでは幸せになれないのか?

1.順応仮説

慣れてしまうから。


つまり、特別だったものが麻痺すると当たり前になるからです。

2.目標水準仮説

人間が、ひとつ問題が解決してもさらなる違う問題を抱えるのは、今より上に行きたいという成長欲求があるから。 このことは、行動経済学の研究データーにある次のことに一致します。



「自分が目標としている所得水準と今の所得の差が大きいほど幸福度が下がる」

「向上心と幸福度は比例しない」ということです。



たとえば、通勤時間が一日あたり20分長くなることが幸福度に与えるダメージは、失業に与えるダメージの5分の1というデーターがあります。



そして、こうしたダメージを、収入が上がることで得られる素敵な家に住めることや、子どものために良い学校の近くに住むことによるメリットによって相殺できることは無いということがわかりました。

それが「目標水準仮説」でいう、向上心と幸福度は比例しないということです。

3.相対所得仮説

前述した「みんながお金持ちになったら幸せにはならない」ということです>

自分の年収だけが上がった場合と、周りも一緒に上がった場合とでは、自分が手にする額は同じでも幸福度が違うという話をしました。

つまり、人間は、自分の所得水準を他人と比較した時にも幸福度に影響を与えてしまうということです。



上述した「所得額ではなく所得順位を重要にしてしまう」罠にはまるからです。


年収を上げる以外で幸せを得る方法

1.理想の自分象を明確にする

一番簡単な方法は、「こういう生き方をしている人が好き」という人物を一人持つことです。年収で選ぶのではなく、「こんな人間になりたい」という、「こんな人」を、有名人なり、身近いる人なり、個人名をあげてみてください。

男性であれば、男でも惚れる男がいると思うので、自分が女ならこういう男に惚れる、という「こういう人」を一人あげてみるのです。

後はその人の「物質的なもの」ではなく、ライフスタイルやスタンスを真似すればいいのです。



つまり、価値観が似ているから惹かれるという現象が起きるわけですから、ライフスタイルを表す生き方、働き方を表す過ごし方、暮らし方を「皿をなめるように」観察してみてほしいのです。

着ているモノや、住んでいる家、乗っている車等、物質的なモノを見るのではなく、「どういった考えでそういう行動をとるのだろう」という、行動に疑問を持ってほしいのです。

結局、今の自分の考えを変えるべき点があるから、行動にブレーキがかかってしまうわけですから、手本にしたい人の行動を観察し、そして、真似をすることです。

自分の考え以外で幸せになりたくないと思っていることがわかるかもしれませんし、自分の考え以外で幸せになってはいけないと思っている自分がわかるかもしれません。

いずれにしても、自分の考えの何かが「自分を幸せにしないこと」を選び、その結果が収入に反映しているからです。

お金は自分を幸せにするものではなく、自分が幸せであるから入ってくるものであるのは、人間に共通の原理です。

つまり、お金は結果論であり、価値を得たときに一緒に付いてくるオマケでしかありません。

まず、優越感からお金を得ようとしている場合は特にですが、「潰れない生き方」のためのステップ1が、「理想を真似する」ということになります。

ここを仮にすっ飛ばして、それでもまだ「そんなことよりすぐに結果が出る方法」が知りたい方は、お金を得るためではなく、お金を得る方法を知るために生きていくのだと思います。

成功されている人は、優越感より達成感を使命に行動している事実をどうとらえるかも、世界観の違いによるものだと言えます。

2.人と自分を比べない

優越感は、優越感が悪いということでありません。 また、人と自分を比べることも悪いことではなく、ビジネスにおいては、差別化やポジショニング、ブランディングに必要な要素のひとつが「対比」でもあります。

優越感を持つに至った原因に問題があるから、優越感を得て幸福の目盛りを減らしているということです。

「批判とは非難ではない」ということはお話しましたが、勝ち負けや上下、優劣で物事を判断するときの目は、「相手より優れている点」ではなく、相手より怠っている自分を必死で探す習性があるのです。

それを簡単に認めてしまえばいいのでしょうが、如何せん、人間には自己重要感を損ねることを何より怖れるがために、自分で自分のアラを探して隠す行為こそが、対象より上に見られたい、対象より優れているように思われたいという思考にしてしまうということです。

それを広義の意味で「裁き」といいます。

自分のアラを探す目的で相手と自分を比べ、そのアラに手を加えずに隠す行為が、「裁き」の正体です。

その裁く癖(ジャッジ)が、はじめは達成感のために頑張っていたことでも、いつの間にか目的を優越感にすり替えてしまうのです。

「いつの間にか」というのも、だいたいが「見解の相違」が見えた時です。

意見交換のつもりが、言い負かせるためになっていたり、話し合いのつもりが、責め合いになってしまうのは、すべて「理解」より、「優」を得ることが目的にすり替わっているからです。

ジャッジと言う自分のマインドに自分が足を取られてしまうと、今度は、相手を自分の考えでコントロールしようとするようになる。

このように自分の意思(達成がほしい)だと思っている意思は、自分のものではないこと(相手を裁く意思)が多いのです。

ひとつの目標を達成したいだけなのに、その達成したいことが、自分の方が正しいということを主張することにすり替わってしまうということです。

私はこういう状況に追い込まれたとき、取るべき手段は、3つのいずれかです。

譲歩しても話し合いが決裂するとき、反対する手を振り払って進むか、共創する相手を変えるか、人員も込みですべて最初からやり直すか、です。 そのために私に必要だったものが、「権威性」です。

権威を振りかざすのではなく、判断の旗に使うために権威性を体得しました。 私についてこない人がいることも、一人になる覚悟は常に私を襲います。 自分を生きるというのは、この怖さを越えない限り、自分の人生を生きているとは言えないのです。

本当に自分の人生を生きるためには、まず、「自分が自分の人生を生きていない」ということに気づくことが不可欠です。 なぜなら、気づいていないことを変えることはできないからです。 しかし1人で悶々と考えていても気づきは起こりにくい。

だから人は「知ること」をネットや書籍に求めるのです。 どうしたらいいのか?知識を得たいのですが、得た知識を今度はどうやって使えばいいのかがわからないから「揺れ戻し」という現象が起こります。

そうなると、「裁き癖」が再現されて、正義か悪か、上か下か、多いか少ないか、あるかないか、という優劣の基準で「幸せの選択」をしてしまうのです。

そして、他者と比べ、せっかく探し当てた自分のアラをまた隠すのです。 隠すために自分のアラを探すなら、比べなければいいものを、自分のアラを本当はどうしたかったのでしょう?

私が出会ったクライアントさんの全員がこういいました。 最悪な自分でも、どうにもならないダメな自分でも、やらかしてしまう自分でも、できない自分でも愛してくれる人がほしかった。

なのに、自分がされて嫌なことを対象にしてしまう。 裁かれるのが嫌だから相手を裁く。


もしくは、相手から裁かれないために、先に自分で自分を裁いてしまっていたのです、と。でも、どうせ、だって・・・という癖が自分をそうさせてしまう。 まさに表裏一体、表と裏は同じだということです。

3.心のブロックを外す

抽象的に言えば、スピリチュアル的な「見えないものとの対峙」が、このブロック外しになります。


ですが、批判的思考を身につけていくと、見えないものも科学的な根拠で見える化できます。

特にお金のブロックについては、例えば、成約できない、売り上げが上がらないという現実があるとするなら、それは、成約できない、売り上げが上がらないほうが自分に都合がいい「理由」があるからです。


その理由を腑に落すことからスタートします。

達成したら、成功したら困ったことになると思っている、その「困ったこと」が、幸せをあえて掴まない原因であることが多いです。

ブロック外しも、順を追って書いていきたいと思います。


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ヤマモトマユミ

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